きのさき (列車)

曖昧さ回避 きのさき」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「城崎」をご覧ください。
曖昧さ回避 この項目では、1996年から京都駅 - 城崎駅間で運行されている特急列車、およびその関連列車について説明しています。
  • 1990年から1995年に大阪駅 - 城崎駅間を福知山線経由で運転されていた臨時急行列車については「こうのとり (列車)」をご覧ください。
きのさき
287系電車による「きのさき」「まいづる」
概要
種類 特別急行列車
現況 運行中
地域 京都府兵庫県
前身 特急「あさしお」「たんば」
運行開始 1996年3月16日
運営者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
路線
起点 京都駅
終点 福知山駅・豊岡駅・城崎温泉駅
営業距離 158.0 km (98.2 mi)(京都 - 城崎温泉間)
運行間隔 10往復
列車番号 5000M+号数
使用路線 山陰本線嵯峨野線
車内サービス
クラス グリーン車・普通車
座席 全車指定席
技術
車両 287系電車289系電車福知山電車区
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500V
運行速度 最高130 km/h (81 mph)
ルート番号 E(全区間)
備考
一部の列車は京都 - 綾部間で特急「まいづる」と併結
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きのさきは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が京都駅 - 福知山駅・豊岡駅・城崎温泉駅間を山陰本線嵯峨野線)経由で運行する特別急行列車である。

北近畿ビッグXネットワークを形成する列車のひとつである。イメージカラーは紫色)で、この列車の走行路線である山陰本線(嵯峨野線)のラインカラー(京都駅 - 城崎温泉駅間に設定されているもの)にちなんでいる。

本項では、京都駅を発着する山陰本線の優等列車の沿革についても記述する。

概要

京都駅および亀岡駅などの南丹と呼ばれる京都府中部と北近畿の各地域(中丹但馬)の福知山市豊岡市などを結んでいる。北近畿ビッグXネットワークを形成する列車のひとつであり、京都から城崎温泉へ足を運ぶ観光客にはもちろん、ビジネスとしての利用にも重宝されている。

特急「きのさき」は、1996年3月16日に山陰本線園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間が電化されたことにより、京都駅 - 城崎(現・城崎温泉)駅間で運転を開始した。このダイヤ改正により、気動車で運転されていた特急「あさしお」が、2011年3月12日には特急「たんば」が「きのさき」に統合されて廃止された[1]

「きのさき」の列車名は、1962年から京都駅 - 福知山駅・城崎駅間の準急列車1966年からは急行列車)に使用されていたが、1968年に京都駅発着で京都府北部兵庫県北西部発着の急行列車の総称として、「丹後」に統一されて廃止された。また、国鉄分割民営化後の1990年12月には、大阪駅 - 城崎駅間(福知山線経由)の臨時列車として急行「きのさき」が復活したが、1995年に廃止されている。

列車名は、終着駅である城崎温泉駅および兵庫県豊岡市の旧城崎郡城崎町、同町にある平安時代から1300年の歴史をもつ「城崎温泉」から採られている。

また、スーパーまつかぜと同じく、山陰本線内で完結する数少ない特急列車である。

運行概況

2024年3月16日現在の運行概況は次の通り[2]

京都駅 - 福知山駅間が下り3本と上り4本、京都駅 - 豊岡駅間が1往復、京都駅 - 城崎温泉駅間で4往復が運転されている。うち3往復は、京都駅 - 綾部駅間で特急「まいづる」と連結して運転されている。また金曜・土曜・日曜・祝日を中心に、京都駅 - 福知山駅間で下り2本と上り1本が臨時列車として運転される[2]。多客期には、京都駅 - 城崎温泉駅間で全車指定席の臨時列車(81・82号)が運転されることがある。

福知山駅発着の列車は、朝晩の一部を除き城崎温泉方面の特急「こうのとり」、天橋立方面の特急「たんごリレー」と接続している。

停車駅

京都駅 - 二条駅 - 亀岡駅 - 園部駅 - (日吉駅) - 綾部駅 - 福知山駅 - 和田山駅 - 八鹿駅 - 江原駅 - 豊岡駅 - 城崎温泉駅

  • ( ):一部の列車が停車。
  • 停車駅の詳細は以下の表を参照(2024年6月現在)。
    • ●:全列車停車
    • ◯:運転日の列車が停車(運転日注意)
    • -:通過
    • ↔:運転停車
運行本数 該当列車号数 駅名
京都駅 二条駅 亀岡駅 園部駅 日吉駅 綾部駅 福知山駅 和田山駅 八鹿駅 江原駅 豊岡駅 城崎温泉駅
下り4本

上り4本

下り:1・5・7・9

上り:12・16・18・20

下り3本

上り4本

下り:11・13・17

上り:2・4・10・14

上り2本 上り:2・4
下り1本 下り:15
上り1本 上り:8
下り2本

上り1本

下り:3・19

上り:6

廃止
備考
  1. 3往復(下り:11・15・17号/上り:4・8・14号)は、京都駅 - 綾部駅間で特急「まいづる」と連結して運転されている。
  2. 多客期には、福知山駅発着の4号と17号が豊岡駅発着になる日がある。
  3. 上記の◯については、金・土曜・休日と特定日(年末年始・GW・夏季休業日・シルバーウィーク)の期間は運転日となる(平日の月〜木曜日は運転休止)。
  4. 2023年10月23日 - 12月10日の土休日には、嵯峨野線混雑緩和の一環として(下り:3・5号/上り:16・18号)が嵯峨嵐山駅に臨時停車した[3]。2024年3月23日 - 4月7日の土休日にも、2023年秋と同じ列車で臨時停車を実施した[4]

使用車両・編成

2024年3月16日現在の編成図[5]
きのさき
← 城崎温泉・豊岡・福知山
京都 →
下記以外
1 2 3 4
G
20号
1 2 3 4 5 6 7
G
基本編成
城崎温泉 - 京都
付属編成
福知山 - 京都
4・8・11・14・15・17号
1 2 3 4 5 6 7
G
きのさき まいづる
  • 全車禁煙
  • 繁忙期は7両に増結される場合がある。
  • 287系は2・6号車、289系は3・6号車に車椅子対応座席がある。
  • 編成および座席種別は変更されることがある。
  • 20号は全区間7両編成で運転する日がある。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席

2015年10月31日以降、吹田総合車両所福知山支所(旧:福知山電車区)に所属する287系電車および289系電車で運行されている。

287系電車
2011年3月12日のダイヤ改正より投入された。 2019年3月16日のダイヤ改正より8往復に充当。通常は4両編成または7両編成だが、4両編成は繁忙期には7両に増結される場合がある。2016年3月26日のダイヤ改正で一旦は10往復全ての列車が287系で統一されたが、2018年3月17日のダイヤ改正で1往復、2019年3月16日のダイヤ改正でさらに1往復が289系の運転に変更された。
乗車位置 両数 該当列車号数
3 下り 1・5・7・11・13・15・17・19
4 上り 2・4・8・10・12・14・18・20
7 備考 [5]
京都駅 - 綾部駅区間は、「まいづる」併結列車を含む

2024年3月16日(現在)

289系電車
特急「しらさぎ」で運用していた683系2000番台を、直流化して改番されたうえ投入されたもの。2015年10月31日から営業運転を開始し、当初は単独運転の3往復に充当された。2016年3月26日のダイヤ改正で運用を一旦離脱したが、2018年3月17日のダイヤ改正で1往復で運用が復活した。
乗車位置 両数 該当列車号数
3 下り 3・9
4 上り 6・16
7 備考 [5]
2024年3月16日(現在)
  • 287系
    287系
  • 289系
    289系

過去の編成

2021年3月13日 - 2022年3月11日
きのさき
← 城崎温泉・豊岡・福知山
京都 →
287系・289系
1 2 3 4
G
287系・289系
1 2 3 4 5 6 7
G
基本編成 付属編成
  • 全車禁煙
  • 繁忙期は7両に増結される場合がある。
  • 287系は2・6号車、289系は3・6号車に車椅子対応座席がある。
  • 編成および座席種別は変更されることがある。
  • 20号の5 - 7号車は福知山駅 - 京都駅間で連結。
  • 京都駅 - 綾部駅間は5 - 7号車が「まいづる」と連結して運転することがある。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席
2015年10月31日 - 2021年3月12日
きのさき
← 城崎温泉・豊岡・福知山
京都 →
287系・289系
1 2 3 4
G
287系・289系
1 2 3 4 5 6 7
G
基本編成 付属編成
  • 全車禁煙
  • 繁忙期は7両に増結される場合がある。
  • 287系は2・6号車、289系は3・6号車に車椅子対応座席がある。
  • 編成および座席種別は変更されることがある。
  • 20号の5 - 7号車は福知山駅 - 京都駅間で連結。
  • 京都駅 - 綾部駅間は5 - 7号車が「まいづる」と連結して運転することがある。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席
右側の編成図を参照。

過去の使用車両

183系電車
2013年3月までは、福知山電車区に所属する183系電車が使用されていた。2003年以降の編成は以下の通りに分類され、2011年からはB編成のみが引き続き使用された。
G編成→B編成
1986年に「北近畿」が運転を開始した際に投入された485系電車から、交流設備を撤去して直流化改造し[6]、183系に編入したものである。車体の塗装は国鉄色に準じているが、窓周りの帯の下に細いラインが入っている。使用開始当初は普通車のみの編成でグリーン車は連結されていなかったが、直後に先頭車を半室グリーン車(クロハ481形)に改造しており、国鉄分割民営化までに全編成の改造を完了している。なお、通常は4両編成だが、繁忙期は6両に増結されて運転された。
BB編成
特急「雷鳥」に使用されていた485系を183系化した編成。2009年12月1日から2010年3月12日まで使用された。「雷鳥」当時から塗装は変更されておらず、JR西日本の183系では唯一純粋な国鉄色をまとっていた[7]
T編成→A編成・C編成
1996年に「きのさき」「はしだて」「文殊」「たんば」が設定されたことに伴い、追加投入された485系の直流化改造車両。A編成は使用開始当初から全室グリーン車(クロ183形)を連結していた。塗装はJR西日本オリジナルのものが施されていた。287系および381系の投入により運用を終了した[8]
381系電車
特急「くろしお」への287系投入により余剰となった車両が国鉄特急色に塗装変更されたもの。2012年6月1日より運転を開始し、183系で運用されていた1往復(3・10号)を置き換えた[9]。なお、通常は4両編成だが、繁忙期は6両に増結される場合があった。
289系電車の投入により、2015年10月30日をもって運用を離脱した。381系自体は製造から約30年以上も経過しており、老朽化が進んできたことが主な理由として挙げている。
  • 183系による特急「きのさき」(2011年12月31日 綾部駅 - 山家駅)
    183系による特急「きのさき」(2011年12月31日 綾部駅 - 山家駅)

担当車掌区

臨時列車

カニのシーズンを迎える11月から3月にかけて、JR西日本が発売する駅長おすすめ駅プランの「かにカニ日帰りエクスプレス」期間中には特急列車の利用が多く見込まれるため、1999年から定期列車の補充として「かにカニエクスプレス」である「かにカニ香住」「かにカニきのさき」などの臨時列車が運転されていた。

「かにカニ香住」はキハ181系のほかキハ65形のエーデル車両を使用し、京都駅 - 香住駅間で運転されていたが、2004年度からは「かにカニきのさき」として城崎発京都行で運転されていた[10][11][12][13][14]。しかし、2005年度からは、「たんば」1・8号が福知山駅 - 城崎温泉駅間を延長運転したため、「かにカニきのさき」は運転を終了している。

現在は、2020年以降のコロナ禍による旅客減少の影響で、2021年3月13日のダイヤ改正で「きのさき」の一部が臨時列車化され、金曜・土曜・日曜・祝日を中心に京都駅 - 福知山駅間に3号と6号の1往復が運転される。2022年3月12日のダイヤ改正で新たに金曜・土曜・日曜・祝日を中心に京都駅 - 福知山駅間に19号が追加されて運転される。

山陰本線京都駅発着優等列車

概説

白兎

曖昧さ回避 京都駅 - 鳥取駅倉吉駅間(智頭急行智頭線経由)で運転されていた特急「はくと」および、同区間で運転されている特急「スーパーはくと」については「スーパーはくと」を参照

山陰本線京都駅発着の優等列車としては最初の列車で、1956年に京都駅 - 松江駅間の準急列車として運転を開始した。当時は、京都駅で特急「つばめ」「はと」に接続していた。1961年に急行列車になり、一部の区間が快速列車普通列車になる時期もあったが、出雲市駅大社駅まで運転されていた。1982年に京都駅 - 米子駅間の運転に変更され、1986年に「あさしお」に統合されて廃止された。

あさしお

80系時代(鎧 - 餘部間)
80系時代(鎧 - 餘部間)
181系時代(京都駅)
181系時代(京都駅)
曖昧さ回避 金沢駅 - 出雲市駅間で運転されていた急行「あさしお」については「わかさ (列車)#あさしお」を参照

山陰本線で初めて京都駅を発着する昼行特急として運行が開始され、城崎駅発着、倉吉駅発着、米子駅発着が各1往復と、宮津線(現在のWILLER TRAINS宮舞線・同宮豊線)を経由する城崎駅発着が1往復、合計4往復が運行された。列車名は「朝に満ちる潮」に由来する。羽越本線の電化で特急「白鳥」や「いなほ」が電車化され、余剰となったキハ80系が転用された。当初は食堂車も連結され、都ホテルが調理を担当していた。1975年には食堂車の連結がなくなるものの、1982年には伯備線の電化により「やくも」からキハ181系が転用され、1986年以降は急行「白兎」の格上げ分を含め、6往復に増発されて運転されていた。

宮津線経由の「あさしお」下り城崎行きは、宮津線を経由している間に山陰本線福知山経由で直行する後続の「あさしお」に先行を許し、同じ「あさしお」同士で出発順と到着順が逆転するダイヤとして知られていた。

1996年のダイヤ改正で「スーパーはくと」「はくと」の全列車が京都発着に変更されたことや、園部駅 - 福知山駅間と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間が電化されたことにより電車運転が可能になったため、「きのさき」「たんば」「はしだて」に統合され、「丹後」と共に廃止された。「あさしお」廃止により城崎温泉駅もしくは和田山駅で「はまかぜ」と「きのさき」を乗り継ぐ必要が生じる場合の特急料金通算は廃止された。

丹後

1959年に京都駅と北近畿方面を結ぶ準急列車として運転を開始し、合計2往復が運転されていた。運転時間帯の良さから、ビジネスマンや観光客から好評を得て利用客が増加し、1963年に合計4往復に増発され、1966年には急行列車化されたが、1966年10月1日から1968年9月30日までは下り1本は準急列車で運転された。これは、当時の準急列車は「100km以下を運行する急行列車」と言う位置づけであったためであるが、これにより同一列車名で急行・準急が並立することとなった。急行列車化されてもなお増発が行われ、1968年には7往復、1972年3月に8往復が運転されていが、同年10月から特急「あさしお」が運転開始したことにより運転本数は減少した。グリーン車が連結され、途中駅で分割併合を行う、比較的長編成で最後まで国鉄色車両が用いられるなど、JR化後も国鉄気動車急行の全盛期のイメージを色濃く残した気動車急行として全国の鉄道ファンの人気を集めたが、1996年に山陰本線の一部と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化により、廃止された。

運転区間は運転開始当初は京都駅 - 天橋立駅・東舞鶴駅間であったが、1961年に敦賀駅発着の編成が連結され、1963年には東舞鶴駅経由豊岡駅発着の編成も連結されていた。急行列車化されて以降も網野駅久美浜駅まで運転され、北近畿タンゴ鉄道宮津線に乗り入れていた。なお、東舞鶴駅 (一部は西舞鶴駅)- 敦賀駅間、宮津駅 - 豊岡駅間など、一部の列車の一部の区間は普通列車として運転されていた。国鉄が分割・民営化されてしばらくは、城崎以西に運転されていた快速「わかとりライナー」と乗り継ぐことで「あさしお」の補完的存在ともなっていた。

列車名は、令制国の「丹後国(たんごのくに)」が由来となっている。

たんば

特急「きのさき」と同じく、1996年に園部駅 - 福知山駅間と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化によるダイヤ改正により、京都駅 - 福知山駅間を結ぶ特急列車として運転を開始した。北近畿ビッグXネットワークを形成する列車の一つで、イメージカラーは青色()であった。

2011年に、北近畿ビッグXネットワークの特急列車の統廃合により、「きのさき」に統合されて廃止された。

列車名は、令制国の「丹波国(たんばのくに)」が由来となっている。

沿革

戦後準急列車の設定とその後

  • 1956年昭和31年)11月19日:京都駅 - 松江駅間で準急「白兎」(はくと)が運転開始。
  • 1957年(昭和32年)12月1日:「白兎」の運転区間が京都駅 - 米子駅間に短縮。
  • 1959年(昭和34年)9月22日:京都駅 - 天橋立駅・東舞鶴駅で準急「丹後」(たんご)が運転開始。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:サンロクトオのダイヤ改正に伴い、「白兎」が急行列車になり、福知山線経由大阪駅発着の編成が連結開始。
  • 1962年(昭和37年)3月1日:京都駅 - 福知山駅・城崎駅間で準急「きのさき」2往復が運転開始。
  • 1963年(昭和38年)4月20日:「きのさき」の1往復が「丹後」に統合されて、「丹後」は4往復になる。
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月5日:準急列車制度改変に伴い、「きのさき」「丹後」が急行列車になる。
    • 10月1日:福知山駅 → 京都駅間で準急「丹後」3号が運転開始。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 大阪駅発着「白兎」が「だいせん」に統合され、「白兎」は京都駅 - 松江駅間の運転になる。
    2. 京都駅と北近畿を結ぶ急行列車が「丹後」に統一されたため、「きのさき」が廃止。これに伴い、「丹後」は7往復(すべて急行列車)になる。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:「白兎」の運転区間が京都駅 - 出雲市駅間に延長される。「丹後」1号・5号の運転区間が京都駅 - 久美浜駅間に延長。

特急「あさしお」登場後の展開

特急「あさしお」(1988年頃 京都駅)
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:「丹後」が1往復増発され8往復になる。
    • 8月:京都駅 - 鳥取駅間で臨時列車として特急「あさしお」が運転開始。これは定期化に先駆けてのものとされる。
    • 10月2日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
      1. 「丹後」の下り1本、上り2本が特急化され、「あさしお」3往復が運転開始。「丹後」は下り7本・上り6本になる。
      2. 「白兎」の福知山駅 - 鳥取駅間で福知山線経由大阪駅発着の「いなば」が併結される。
  • 1975年(昭和50年)3月10日:「あさしお」の食堂車の連結が中止。
  • 1982年(昭和57年)7月1日:「白兎」の運転区間が京都駅 - 米子駅(倉吉駅 - 米子駅間は従来どおり快速)間に短縮。「あさしお」にキハ181系が投入される。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:東舞鶴駅発着の「丹後」1往復が「あさしお」になる。これにより、「あさしお」は5往復、「丹後」は下り6本・上り5本になる。「白兎」の運転区間が京都駅 - 米子駅のままだが、鳥取駅 - 米子駅間は快速運転に変更。
    • 「はまかぜ」1・4が鳥取駅 - 倉吉駅間が一旦廃止に伴い、京都駅 - 倉吉駅の「あさしお」が浜村駅に停車駅に新規追加。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:福知山線宝塚駅 - 城崎駅間の電化に伴うダイヤ改正(1986年11月1日国鉄ダイヤ改正)により、「白兎」が「あさしお」に統合されて廃止[15]。「あさしお」は6往復になる。
  • 1989年平成元年)3月11日:「あさしお」6号が鳥取発京都行に短縮(旧急行「白兎」号の流れを組んだ列車)。
  • 1990年(平成2年)
    • 4月1日:宮津線の北近畿タンゴ鉄道移管に伴い、同線を普通列車で運行していた「丹後」9号・6号が全区間急行列車化。
    • 12月:大阪駅 - 城崎駅間を183系電車使用の臨時急行として「きのさき」が運転開始。
  • 1995年(平成7年):臨時急行「きのさき」が廃止。これは、翌1996年の京都駅 - 城崎駅間の特急列車の名称が「きのさき」と決定したため。

北近畿ビッグXネットワークの完成後の展開

特急「たんば」(京都駅)
  • 1996年(平成8年)3月16日:園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化によるダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 「あさしお」「丹後」が廃止[16]。山陰本線京都駅発着の急行列車および京都駅発着で城崎駅以西に直通する特急列車が全廃される。
    2. 京都駅 - 城崎駅間で「きのさき」下り5本・上り6本が運転開始。
    3. 京都駅 - 福知山駅間で「たんば」下り3本・上り2本が運転開始。
    4. 京都駅 - 天橋立駅間(北近畿タンゴ鉄道宮福線経由)で「はしだて」4往復が運転開始。
    • これにより、福知山線の「文殊」(同日の改正で運転開始)と「北近畿」と合わせて北近畿ビッグXネットワークが構成された。
  • 1999年(平成11年)10月2日:ダイヤ改正により次のように変更。
    1. 京都駅 - 東舞鶴駅間で「まいづる」3往復が運転開始[17]
    2. 「きのさき」が下り3本・上り5本に削減、「たんば」は下り2本になる。
  • 2003年(平成15年)10月1日:「たんば」が下り5本・上り3本の運転になる。7・9号をのぞき京都駅 - 綾部駅間で「まいづる」と併結運転を行う[18]
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:「たんば」7号が「まいづる」と併結運転になる[19]
    • 10月1日:「たんば」が上り1本増発され[20]、下り5本・上り4本になる。
  • 2005年(平成17年)5月3日 - 8日JR福知山線脱線事故の影響により、新大阪駅 - 福知山駅間の特急列車が運休となったため、臨時列車として全車自由席の「きのさき」が京都駅 - 城崎温泉駅間で下り2本・上り1本が運転される[21]
  • 2007年(平成19年)3月18日:全車禁煙になる[22]
  • 2010年(平成22年)3月13日:「きのさき」の1往復が豊岡駅発着になる。
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)6月1日:183系で運転されていた1往復が381系に置き換え[9]
  • 2013年(平成25年)3月16日:ダイヤ改正で183系が381系に置き換えられ、183系が退役[26]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:ダイヤ改正で朝7時台に京都発城崎温泉行きを1本増発。19時台の豊岡行きを福知山行きに変更(豊岡行きは特定日のみ運行)。
    • 4月28日:上記のダイヤ改正で北陸特急「しらさぎ」の運用から外れた683系2000番台を直流化した289系による381系全車置き換え・廃止が発表[27]
    • 5月27日:「きのさき」に投入予定の289系の試運転がJR京都線で行われる[28]
    • 10月31日:381系で運転されていた3往復が289系に置き換えられ、「きのさき」で運転される全ての車両がJR西日本発足後の車両に統一される[29]
  • 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正で289系が運転から離脱、287系の運転に統一される。
  • 2018年(平成30年)3月17日:ダイヤ改正で289系の運用が復活し、1往復に再び充当される。
  • 2021年令和3年)3月13日:ダイヤ改正で3号車が自由席車両から指定席車両に変更。3号・6号が週末を中心(金曜・土曜・日曜・祝日)として運転に変更。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、下り7・11・15・19号(15号は、京都駅 - 福知山駅間を運転する)と上り8・12・14号の運転を取りやめる(ただし同年12月1日以降は一部運転)。
  • 2022年(令和4年)3月12日:ダイヤ改正で全車指定席化。新たに19号が週末中心(金曜・土曜・日曜・祝日)として運転する列車となる。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、下り7・11・15号と上り8・12号(15号と8号は、京都駅 - 福知山駅間のみ運転する)、金曜・土曜・日曜・祝日を中心とする列車の運転を当面の間は取りやめる(同年7月1日以降は運転)。

脚注

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  1. ^ a b 『平成23年春ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道福知山支社、2010年12月17日。 オリジナルの2011年7月23日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20110723110254/http://www.westjr.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2010/12/17/1_20101217_fukuchiyama.pdf 
  2. ^ a b 『JTB時刻表』2024年4月号、JTBパブリッシング
  3. ^ “嵯峨野線 混雑緩和に向けた対応について” (PDF). 西日本旅客鉄道 (2023年9月21日). 2024年3月13日閲覧。
  4. ^ “嵯峨野線 春の混雑緩和に向けた対応について” (PDF). 西日本旅客鉄道 (2024年2月22日). 2024年3月13日閲覧。
  5. ^ a b c “きのさき:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道 (2024年3月16日). 2024年5月29日閲覧。
  6. ^ 撤去された交流用機器は415系800番台への改造に使われている。
  7. ^ 「もと“雷鳥”用485系が“北近畿”用183系に」『『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース』、2009年12月15日。2022年3月8日閲覧。
  8. ^ 「特急“こうのとり”が運転を開始」『『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース』、2011年3月17日。2022年3月8日閲覧。
  9. ^ a b 「福知山電車区の381系FE編成が営業運転を開始」『『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース』、2012年6月1日。2022年3月8日閲覧。
  10. ^ 『平成11年度【 冬 】の臨時列車の運転について(別紙詳細)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、1999年10月15日。 オリジナルの2000年5月25日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20000525142939/http://www.westjr.co.jp/kou/press/4press/n991015e.html 
  11. ^ 『平成12年度【 冬 】の臨時列車の運転について(別紙詳細)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2000年10月16日。 オリジナルの2001年3月3日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20010303123917/http://www.westjr.co.jp/kou/press/4press/n001016d.html 
  12. ^ 『平成13年度【 冬 】の臨時列車の運転について(別紙詳細)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2001年10月16日。 オリジナルの2002年6月7日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20020607015107/http://www.westjr.co.jp/news/011016g.html 
  13. ^ 『「かにカニ日帰りエクスプレス」発売(別紙詳細)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2002年9月18日。 オリジナルの2002年12月9日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20021209041122/http://www.westjr.co.jp/news/020918d.html 
  14. ^ 『「かにカニ日帰りエクスプレス」発売』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2003年9月17日。 オリジナルの2004年2月15日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20040215091446/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/030917b.html 
  15. ^ 「「地域密着」順調にスタート 国鉄最後の61・11ダイヤ改正」『交通新聞』交通協力会、1986年11月2日、1面。
  16. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '96年版』ジェー・アール・アール、1996年7月1日、186頁。ISBN 4-88283-117-1。 
  17. ^ 『平成11年秋 ダイヤ改正について(別紙詳細)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、1999年7月30日。 オリジナルの2000年3月2日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20000302161358/http://www.westjr.co.jp/kou/press/3press/n990730b.html 
  18. ^ 『平成15年秋 ダイヤ改正(福知山エリア)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2003年7月30日。 オリジナルの2003年10月3日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20031003105343/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/030730c.html 
  19. ^ 『平成16年春のダイヤ改正(別紙詳細)』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2004年1月13日。 オリジナルの2004年2月6日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20040206034003/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/20031216a_fukuchiyama.pdf 
  20. ^ 『平成16年秋のダイヤ改正(別紙詳細)』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2004年7月23日。 オリジナルの2004年8月4日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20040804181045/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/040723a_fukuchiyama.pdf 
  21. ^ 列車運行ならびにきっぷの取り扱いに関するお知らせ - ウェイバックマシン(2005年5月7日アーカイブ分) - 西日本旅客鉄道
  22. ^ 『平成19年春ダイヤ改正(詳細別紙)』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2006年12月22日。 オリジナルの2007年3月20日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20070320141243/www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/061222a_01.pdf 
  23. ^ 「さよなら車内販売 兵庫県内の在来線で終了」『神戸新聞』、2011年3月1日。オリジナルの2011年3月5日時点におけるアーカイブ。
  24. ^ 『東北地方太平洋沖地震に伴う車両保守部品の不足による運転計画の見直しについて』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道福知山支社、2011年3月25日。http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/20110325_fukuchiyama.pdf2022年3月8日閲覧 
  25. ^ 『車両保守部品の不足に伴う列車運転計画の見直しについて』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2011年4月6日。 オリジナルの2011年12月16日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20111216182135/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175270_799.html 
  26. ^ “国鉄特急カラーの「183系」来春引退”. 2012年12月18日閲覧。[リンク切れ]
  27. ^ 『「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」へ289系(683系)車両を投入します』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年4月28日。http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/04/page_7100.html2022年3月8日閲覧 
  28. ^ 「塗装変更された289系が本線で試運転」『『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース』、2015年5月28日。2022年3月8日閲覧。
  29. ^ 『289系車両が10月31日(土曜日)から運転を開始します!』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年8月21日。http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/08/page_7526.html2022年3月8日閲覧 

参考文献

  • 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。
  • 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 8号・近畿』新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5。

関連項目

外部リンク

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  • きのさき:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
京阪神北近畿 優等列車
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ネットワーク
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播但線経由

はまかぜ

運行終了
そのほか
福知山線経由
特急

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急行

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福知山線・丹鉄経由

みやづ - エーデル丹後

山陰本線綾部駅経由

丹後 - かにカニ香住 - かにカニきのさき - あさしお / 山陰

播但線経由

但馬 - ゆあみ - かにカニはまかぜ - かにカニ但馬

列車沿革

福知山線優等列車沿革 / 山陰本線優等列車沿革 / 播但線優等列車沿革 / 京阪神対山陰夜行列車沿革

関連項目

スーパーはくと / わかさ - 大社 - あさしお - エメラルド / たんごリレー

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路線

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列車名・列車種別

新快速 - 快速 - 大和路快速 - 関空快速・紀州路快速 - 丹波路快速 - みやこ路快速 - 直通快速 - サンダーバード - はるか - らくラクびわこ - らくラクはりま - らくラクやまと・まほろば

通称